一般社団法人設立のご挨拶と設立趣意
平成27年9月に任意団体として感共建築ラボを設立し、はや2年余りが過ぎました。ここまでの活動の中で建築環境における多面的な取組みをして参りましたが、いくつかの事業において基礎的な基盤を構築出来てきたことにより法人化を致しました。
私共は「居心地の良さ」を探求し、実際の暮らしや活動そして空間を創り維持する建築設計・コンサルティング・マネジメントなどを業務として、社会に心地よい場所を広げていきたいと願っています。また、居心地良い状態を創り上げるためのスキームやノウハウを蓄え、その知見を広く関わる皆様に活かして頂くために、講習会の開催やライセンス提供など様々な取組みの準備を始めました。
このような活動をするための組織として、感共建築ラボは理念を掲げるという特性を持つ一般社団法人としました。ぜひ、私共の理念である「居心地の良さ」に共感頂き、多くの方々と事業を協働できることを期待しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
平成30年5月1日
一般社団法人感共建築ラボ 代表理事 寺本 勉
設立趣意(グループ創設時)
近年の建築及び周辺環境に対する建築業界や不動産業界においては、経済性や営利目的の優先、そして温熱環境や製品データ数値化による評価の傾向が強く見られ、また、CO2 削減のための事業者・個人への負担も限界に近づいています。
これらの取り組みに対し、示されている指標や説明と体感とのミスマッチおよびミスジャッジを感覚的に感じている専門家が徐々に集まり、勉強会などを通 して本質的な理解と将来の取り組みに対する一定の方向性を見い出しつつある状況です。
「平成 26 年度低炭素ライフスタイルイノベーションを展開する評価手法構築事業委託業務に関する提案書」※注や、「感共建築ラボ事業目的」にあるように、 生理的な体感の考慮や建物外部の環境の向上による室内環境の快適性の向上などの必要性は、とりわけ特徴的な独自の見識として注目に値します。
このような横断的な領域を一個人による活動とするには、大海原のように扱う領域が広く、実現には相当の時間が必要と想像されます。地球温暖化や経済社会の飽和感を鑑みると現実の状態は切迫しており、意識の高い専門家がいまこそ力を結集して早期に問題の解決と持続した快適性を手にする必要があります。
現時点においては、これらの指標や見識は定性的な社会的認知にとどまってお り、定量的な環境不動産評価や相場感、融資等の実務レベルまで落とし込まれていない現状です。また、現状の高断熱高気密等による建物のハイスペック化が進行すれば、建主の経済的負荷が限界を迎えるのは明らかです。
そこで、本質的な快適性と自然環境との共存を建物内外や地域において実現するため、建築環境分野における指標の再構築、および現実に即したレベルの建設・維持コストの適正化(life cycle management の実施)、さらには個人や集団の状況に応じた快適性の実現に向けて、実務レベルにおける実現を図るため 「感共建築ラボ」を設立します。
平成27年9月1日
感共建築ラボ設立代表者 寺本 勉