熱移動の3原則
インテリア協会や建築士会の勉強会などで温熱環境について講演をすることがあります。先日は建築士会の勉強会で熱損失係数や日射取得係数の意味について解説講演をしました。
熱損失係数の計算方法を具体的に説明しても、日ごろ温熱環境に馴染みのうすい人にとっては拒絶反応を示して思考停止してしまうことがよくあります。解説をしていても、「いったいこの人は何語を離しているんだろう???」というような雰囲気が顔に現れるんですね。ですので私が解説するときはまず熱の性質や体感に影響を与える要素など温熱環境の基本的な事柄からお話をするようにしています。
熱はどのように伝わるのか?
皆さんご存知でしょうか。熱は「伝導」・「対流」・「輻射(放射)」の3つの原理で伝わります。これは熱伝達の3原則といって中学か高校の授業で習っているのです。そんなこたー忘れてますよね。でもその根本的なことから考えていかないと真に快適な建築環境を作ることはできません。熱は高温の物体から低温の物体へこの3つの原理で移動しています。そしてそれぞれの移動割合も確かめられていて、3つの原理の中で熱移動に占める割合が最も高いのは「輻射(放射)」なのです。一般的な感覚では「対流」や「伝導」による熱移動割合が高いと感じる方が多いと思いますが、「輻射(放射)」による割合は75%もり、次に「対流」が20%、「伝導」は僅か5%程度しかありません。
「輻射(放射)」による熱移動を建築環境の中で最も重視しなければいけないという事実がよく分かるのではないでしょうか。
このような温熱環境についてのお話をこのブログでも少しづつ解説していきます。
write by森健一郎
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